フランスでは蚤の市が生活の一部となっていて、言わばフランス文化なのかもしれません。
娯楽の少ないフランスでは毎週各地で開催される蚤の市が多くの人で賑わっています。
お目当ては人それぞれ。
私はフランスのアンティークと呼ばれる古いものを好んで集めているのですが、アクセサリーや古着が好きな方もいれば、これ何に使うの?といった謎の部品が大量に売られていたりもします。
今回は私が長年蚤の市に通い詰めていろいろ気づいたことがあるので、それらをご紹介しています。
蚤の市とは?
蚤の市とは簡単に言うとフリーマーケットのこと。
この蚤の市は大きく分けて2種類あります。
ブロカント(Brocante)と呼ばれる主にプロの方々が出店している蚤の市とヴィド・グルニエ(Videーgreniers)と呼ばれる個人が自宅の不要なものを出品している蚤の市があります。
ブロカント
ブロカントは目利きの効いたプロによる出店のため、価値のあるものが良い状態で手に入れることができる可能性が高いです。
その反面、価格も高く設定されているイメージです。
観光地であれば尚更。
売られている物は家具や食器、絵画、フランス人形、シルバーカトラリーなど多岐に渡ります。
個人的には目の保養のため覗くことが多いのですが、さすがプロだな!と思わされる圧巻の品揃えや品質やディスプレイの素晴らしさにいつも感心させられます。
具体的には以前ご紹介したニースのサレヤ広場の蚤の市は100%プロの出店なのでブロカントとなります。
ヴィド・グルニエ
一方ヴィド・グルニエの蚤の市は100%個人の場合もありますが、一部プロが出店していることもあります。
そもそもヴィド・グルニエ(vide-verniers)には屋根裏部屋を空っぽにする、という意味があります。
そのため個人が自宅にある不要品を出しているので、ブロカントのように見て楽しめるものよりも、正直ガラクタの方が多い印象です。
例えば、不要になった子供服やおもちゃ、着なくなった服、使用済みのキッチン用品、古本、インテリア用品などなど。
ブルーシートの上に適当に並べられていたり、段ボールに雑に入っていたりすることもあります。
ただし出品者にとっては不要なものであっても私にとってはお宝、という思わぬ掘り出し物が見つかることもあります。
この宝探し的な感覚がヴィド・グルニエの楽しみ方だと思っています。
私はこれまでアンティークの食器類やシルバーカトラリー、パニエなど様々なものをゲットしています。
なので、掘り出し物を格安で手に入れることができるヴィド・グルニエは時間に余裕のある方におすすめです。
蚤の市の調べ方
フランスの蚤の市を検索できるサイトをご紹介します。
こちらは主にブロカント情報↓
こちらは主にヴィド・グルニエ情報↓
行きたい地域名を入力すると簡単にヒットします。翻訳機能も使えて便利!
アンティークという言葉の豆知識
古いものに対して何でもアンティークと言いがちですが、実はアンティークという言葉にはちゃんと定義があります。
アンティーク(Antique)とはフランス語で骨董品を意味し、製造されてから100年以上経ったものをアンティークと呼びます。
一方で、100年経過していないけど古いものに対してはブロカント(Brocante)と呼び、フランス語で古道具を意味します。
蚤の市に行けばアンティークと呼ばれる品物があちらこちらに並べられているので、そう考えるととてもすごいコトですね。
先祖代々受け継がれ、物を大事にし長く愛されてきたことが感じられます。
アンティークかどうかの判断
私は必ずしもアンティークにこだわっているわけではなく心ときめくものを蚤の市で購入していますが、中には100年以上前に製造されたとは思えないほど美しいものがあります。
今は大量生産の時代ですが、古くは職人が1つ1つ手作業で作られており、かつ上質な材料で作られていたことが伺えます。
私のインスタグラムでは趣味で集めたアンティークのお皿をいくつかご紹介していますが、お皿に関してはバックスタンプ(刻印)でアンティークかどうか判断しています。
なぜならバックスタンプで製造元、ある程度の製造期間を割り出すことができるからです。
その反面もしバックスタンプがなければ調べる術がないということになります。
その他のものについては、そのもの自体が製造されていたおよその期間を調べます。
売主に尋ねてもハッキリと製造日が分かるわけではないので、アンティークかどうかの判断は難しいのですが、結局のところ自分が気に入ったものであれば100年以上経過しているかどうかは重要ではないと思っています。
蚤の市に行く際のマストアイテム
- 歩き慣れた靴
- 大きめバッグ(リュックが望ましい)
- 小銭
まず1つ目に蚤の市には必ず歩き慣れた靴で行きましょう。見ていると時間があっという間に経ち、思っているよりも歩き回るからです。
また両手が空くリュックがベストです。
購入した後に手が塞がってしまうと見づらくなってしまうということに加えて、片手で商品を持ち上げたりすると落としてしまうリスクが伴います。
一点ものかつ繊細なものが多いのでしっかり両手で大切に扱いましょう。
3つ目にコインを用意しておくと良いでしょう。
なぜならブロカントの一部ショップはカードが使えるところもありますが、その他の多くは現金のみしか対応してくれないからです。
小銭があれば値段交渉もしやすくなりますよ。
有り金を見せて価格を下げてもらうのも良いと思います。
蚤の市で出会う商品は一期一会。
買うのを躊躇って後回しにしたりお金を準備していなくて買えなかった、なんてことがないようにしっかり準備をして行きましょう。
長年蚤の市に通って気づいたこと
私は上記のサイトで調べた上で毎週末蚤の市巡りをしています。
蚤の市の盛んなシーズンは春と秋の気持ちの良い季節の時期となります。
特にヴィド・グルニエは7月から8月の真夏のバカンスシーズンにはほとんど開催されませんので、蚤の市巡りのお休み期間となります…(泣)
私にとって蚤の市はあくまで趣味。自分の感性を頼りに宝探しを楽しんでいます。
そんな中でいくつか気づいたことがあるのでこちらで共有したいなと思います。
- 蚤の市は午前中に行くべし
- 特にヴィド・グルニエは朝イチが勝負
- 蚤の市の醍醐味は値段交渉
- フランス人の日常が垣間見れる
- 品物の違いを感じる土地柄
- 前日に天気予報をチェックしよう
蚤の市は午前中に行くべし
ほとんどの蚤の市は昼過ぎで終わることがほとんどです。
また当たり前ですが良いものは早く売れてしまいます。
散歩がてら行く場合であっても遅くても10時には到着するようにしましょう。
ヴィド・グルニエは朝イチが勝負
私は田舎のヴィド・グルニエでプロの方々(ブロカントの出展者)を何度も見かけたことがあります。
つまり彼らもお店の商品をヴィド・グルニエなどで探し求めているのです。
私の経験上ヴィド・グルニエは朝イチが勝負。
行く度に、見慣れた買い付けの人々がお宝を買い漁っている姿を目にします。
時間帯は恐らく朝5時から5時半くらい。
冬場は暗い中ヘッドライトや携帯ライトを照らして血眼になって探しています。
目の前でいいな、と思った品を買われてしまったことが何度もあるので、あと1分早く起きていたら…とその度に思います。
ヴィド・グルニエには時々亡くなった方の遺品整理業者が段ボールいっぱいの品を低価格で売っていることがあります。
その他プロのバイヤーがプロから購入している光景もよく目にします。
その際店頭には商品が並べられておらず、既に注文してあっただろう品物を裏でこっそりやりとりしている姿が見られます。
蚤の市の世界には縦と横のつながりがあるように感じられます。
フランスではコネクションの大切さを幼い頃から学ばされるようですが、蚤の市の世界でもコネクションが大切なようです。
蚤の市の醍醐味は値段交渉
蚤の市で売られている商品の値段は全て売主が決めています。
言い換えれば値段はあってないようなもの。(値札が付いていないものがほとんど)
言い値で納得できれば購入しても良いですが、売主は値切り交渉に慣れているため最初は売りたい値段よりも高く設定している場合が多いです。
旅行者はお金を持っていると思われているので高値で売られやすいのです。
なので値段交渉は当たり前と思って挑みましょう。
万が一、NOと言われても2つ3つまとめ買いすると値切り交渉の成功率が上がります!
フランス人の日常が垣間見れる
毎週蚤の市に通っていると、店主と顔馴染みになったり気さくに挨拶をしてくれる人ができます。
店主も朝イチは品出しを一生懸命するというよりは、屋台でコーヒーやクロワッサンを手にし、隣の店主とお喋りしながらのんびり準備をします。
プロ同士が骨董品を目の前にしてあーだこーだ議論していたりもします。
ガチで買い付けをしているプロのバイヤーもいれば、カップルやファミリーがのんびり買い物を楽しんでいる様子も見られます。
品物の違いを感じる土地柄
各地の蚤の市に行って感じることは売られているものに土地柄がでるということ。
私が住む南仏は温かみのある陶器類やムスティエなどをよく見かけます。
逆にパリ近郊で栄えた窯元の美しい絵柄の食器類を見かけることはとても少ないです。
また富裕層が多く暮らす地域のヴィド・グルニエには質の良い商品が売られていることが多く穴場だと感じています。
前日に天気予報をチェックしよう
蚤の市は屋外で開催されることが多く、雨の日は中止になることが多いです。
前日までに上記のサイトで中止のお知らせをしてくれる場合もありますが、当日に中止のお知らせをされる場合もあるため、前日の天気予報と当日のサイトチェックを必ず行いましょう。
最後に
ここまで蚤の市について私が感じていることをいろいろ書き留めてみました。
私がお伝えしたいのは、蚤の市はワクワクが詰まった場所ということ。
そしてフランスアンティークは奥が深いです。
フランスアンティークや蚤の市がお好きな方がいらっしゃったら是非一度私のインスタグラムを覗いてみてください。
蚤の市でコツコツ集めたものを記録しているので、古いものがお好きな方と共有することができたら嬉しいです。
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